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あの人の挑戦ストーリー

vol.29熊坂利幸
株式会社桜建築事務所 代表取締役

離婚寸前から一転!家族の絆を強くする家づくりへの挑戦

vol29 熊坂利幸

何にチャレンジしているのか?

株式会社桜建築事務所の代表取締役・熊坂利幸さん。神奈川県を中心に家づくりを提供する、建築会社の2代目の経営者です。
東京電力オール電化販売コンテストで神奈川県第一位、リクルートハウジングナビ「お客様に選ばれた会社」部門で金賞受賞など、毎年のように表彰を受ける桜建築事務所。輝かしい実績の傍ら、じつは不安を抱えることもあるそうです。そのひとつが、大手建築会社のローコスト化による影響。大手だからこそできるこの戦略に、地域密着で事業を展開する自分たちは、飲み込まれてしまうのではないか。多くの中小企業が抱えるそんな不安を、桜建築事務所も感じることがあるのです。
しかし、そんな不安を小脇に抱えながらも決して譲らないこと。それは一見、ローコストという流れに逆らっているかのような、1棟1棟をつくる「プロセス」への強いこだわりです。桜建築事務所が挑むのは、「家族の絆を強くする家づくり」への挑戦です。

なぜ、チャレンジするようになったのか?

vol29 熊坂利幸②

仕事が上手くいなかい。だから仕事から逃げて酒を飲む。

数年前の私は、悲惨な状態でした。その影響もあり、妻とは離婚話に。とうとうこれが最後かと思って臨んだ妻との話し合いで、私は「家族のありがたさ」を痛感しました。それまで、一人で悩み、自分だけが苦しんでいると感じていた私。自分も不安を抱えながらも会社と家庭の両方を支えてくれていたのは、他でもない妻だと気づいていなかったのです。

「自分は何をやっていたんだ」と情けない気持ちになりました。そして同時に、「こんなにも妻に支えられている自分は本当に幸せ者だ」とも強く感じたのです。家族の絆を感じた瞬間でした。

世の中には、生涯幸せに暮らせる家族もいれば、途中で離婚という道を歩む家族もあります。家族が同じ時間を共にする「家」をつくる私たちが、絆の強い「楽しい家族」に貢献したい。離婚寸前の経験から、私はそう強く感じました。

何のために、チャレンジするのか?

vol29 熊坂利幸③

私たちは一体どうやって「楽しい家族」を支援することができるのだろう。

私はこのことにとても頭を悩ませました。いくら大切な家をつくるとはいっても、つくった後のお客様との関りは限られてしまうからです。考え抜いた末に、私たちが行きついた答え。それは、「家族の想いを込めた家づくり」でした。

どんな家をつくりたいのか。どんな生活がしたいのか。どんな笑顔を共にしたいのか。そういった想いを住まいに詰め込み、「家づくりのプロセス」を一生に一度の経験をエンターテイメントのように演出しようと決めたのです。

私たちのお客様との打ち合わせ回数が非常に多いのは、このためです。お客様の注文やイメージをできる限りたくさん聞き、すり合わせていくために、通常の倍くらいの回数行っているだろうと思います。事務所以外での打ち合わせも多いです。こうして、家族そろってマイホームについて話し合い、楽しい時間をともにする機会をつくりだしています。

人口減少による仕事量の低下や大手のローコスト化、国の制度も頻繁に変わっていきますから、不安なことが多いのも事実です。でも私たちはやっぱり、家づくりのプロセスにこだわってチャレンジしていきたい。このチャレンジを続けていくことが、「かぞく、楽しんでる?」というコンセプトを掲げる私たちらしさだと思っています。さまざまな変化に一つひとつ対応しながらも、お客様の想いをもとにした家づくりを通して、これからも絆の強い「楽しい家族」を支援していきたいと思います。