vol22 村山久美子 ｜ チャレンジJAPAN(ジャパン)

なぜ、チャレンジするようになったのか？

幼少の頃から、音楽、ファッション、アートといったエンタメやカルチャーがとにかく好きで、自分の人生に様々な影響を与えてくれた創り手＝芸術家への敬意が特に大きかったように思います。しかし、大人になり音楽業界で働くことで見えてきたのは、芸術家が社会的に十分な地位や環境を得られず、クリエイティブを発信し続けていくことが困難なケースが多いという現実でした。

クリエイターがもっと自由に活躍できる場をつくりたい！そして、芸術家が人々の心に与える力を可視化したい！人生を岐路で強く思うことがあり、15年前に自宅の一室から起業しました。そこから紆余曲折を経て偶然辿り着いたのがバーチャルアーティストIAの開発でした。

本気でプロを目指すクリエイターの支援プロジェクトを立ち上げ、自社のIPやクリエイターの作品をボーダレスかつ世界同時に届けるインフラを作ろうと、世界11都市のワールドツアー、120都市でのライブ上映を通じて、スタッフと共に自分達の足で市場開拓に挑みました。その経験の中でIAが持つ「生身の人間とは違う魅力」に気づきました。それは、ヴァーチャルだからこそ、ストレートに人の心に伝えられるメッセージがあるということ。
人から人への伝達は、その人との関係性や存在感といったフィルターがかかってしまう場合も多いなか、バーチャルという偏りのないフラットな存在、ネガティブマインドが一切ない無垢な存在だからこそ、多くの人が構えることなく自然と受け入れていくという現象。この気づきから、IAで進むべき新たな道が見えてきました。クリエイターが生み出す素晴らしい作品をIAという存在をハブに、バーチャルとリアル、テクノロジーと芸術が織り成す新しいエンタメを通じて世界中に「心の豊かさ」に繋がるメッセージを届ける。両方を持ち合わせている私達だからこそできる挑戦だという思いが次第に強くなっていきました。